下 町
本光寺〜三重塔〜
南品川には旅人が休息をする「建場茶屋」が、数多くありました。江戸に最も近い品川宿は、江戸を立つ旅人達を見送る為の宴会の場であったり、また参勤で江戸に入る大名が、旅装束から江戸屋敷に入る支度を整える場所でもあり、大変賑わいました。 中でも品川寺門前の「釜屋」は、海をのぞむ風光明媚な茶屋であり諸大名にも愛され、料理を供するようにもなりました。 慶応3年(1867年)には「幕府御用宿」として、多くの幕臣達が東海道を上下する為に利用しております。 同年10月21日、新選組副長・土方歳三と副長助勤・井上源三郎が、新入隊士や故郷の支援者達、計31名で休息した記録が残されております。 また、慶応4年正月12日〜23日、鳥羽伏見の戦いに敗れて江戸に戻った新選組の「品川屯所」となっておりました。 この品川の地で、幕末の風を感じて下されば幸いです。
青物横丁商店街振興組合 新選組研究家 汐海朱里 撰文 |