種田山頭火の句
うどん供へて、母よ、わたくしもいただきまする
三月六日 曇、をりをり雨。 地久節。 亡母四十七年忌、かなしい、さびしい供養、彼女は定めて、(月並の文句でいへば)草葉の蔭で、私のために泣いてゐるだらう! 今日は仏前に供へたうどんを頂戴したけれど、絶食四日で、さすがの私も少々ひよろひよろする、独坐にたへかね横臥して読書思索。 万葉集を味ひ、井月句集を読む、おゝ井月よ。
「其中日記(十二)」 |
其中庵休憩所、護国寺には「母ようどん供へてわたくしもいただきまする」の句碑がある。 |