種田山頭火の句
今日の道のたんぽぽ咲いた
おたよりありがたく拝見、おかはりないのは何よりうれしい、私もたつしやで歩きまはつてをります、おそくとも三月の中頃までには、また熊本入の予定、 けふのみちのたんぽゝさいた 福岡まで歩んで、逢うて、しやべつて、飲んで、引き返したところです、同人諸氏へよろしくお伝へ下さいまし、また御家族の方へもよろしく、お大切に祈ります。
昭和5年2月28日、松垣昧々宛書簡 |
この句は『行乞記(一)』(9月14日)に「熊本を出発するとき、これまでの日記や手記はすべて焼き捨てゝしまつたが、記憶に残つた句を整理した、即ち、」として冒頭に収録されている。 昭和5年(1930年)『層雲』(11月号)には「けふはけふのみちのたんぽゝ咲いた」とある。 |