種田山頭火の句碑
サクラがさいてサクラがちつて踊子踊る
三月廿四日 晴、春風がふく。 九時から三時まで市街行乞、行乞相はわるくなかつたが所得はよくなかつた。 此宿もうるさい、早く平戸から五島へわたらうと思ふ、それにしても旅はさみしいな、行乞もつらいね。 塩湯にゆつくり浸つてから二三杯かたむける、ありがたい。 ・水が濁つて旅人をさびしうする 近来、気が滅入つてしようがないので、夜はレヴユーを観た。 花はうつくしい、踊り子はうつくしい、あゝいふものを観てゐると煩悩即菩提を感じる。 をとことをんなとその影も踊る サクラがさいてサクラがちつて踊子踊る 蛙の踊、鷲の舞、さくら踊などが印象として残つた。 |
昭和20年(1945年)6月、西方寺は佐世保大空襲によりすべて灰燼に帰してしまったそうだ。 |