今年の旅日記
「拓本の里」
〜山頭火の句碑〜
大阪府貝塚市に「拓本の里」があるというので、行ってみた。
「拓本の里」に7句6基の
山頭火の句碑
があった。
へうへうとして水を味ふ
いつしか明けてゐる茶の花
出典は
『草木塔』
。
「
へうへうとして水を味ふ
」は「
昭和二年三年、或は山陽道、或は山陰道、或は四国九州をあてもなくさまよふ。
」とある中の3句目。
「
いつしか明けてゐる茶の花
」は「
其中一人
」とある中の句。
昭和7年(1932年)9月20日、山頭火は故郷の其中庵に移り住んだ。
鉄鉢の中も霰
出典は
『行乞記(二)』
。
昭和7年(1932年)1月8日、福岡県遠賀郡芦屋町で詠まれた句。
春風の鉢の子一つ
出典は『其中日記(二)』。
昭和8年(1933年)3月19日、山口市小郡町で詠まれた句。
うれしいこともかなしいことも草しげる
出典は『其中日記(六)』。
昭和9年(1934年)7月1日、小郡(現山口市)の「其中庵」で詠まれた句。
空へ若竹のなやみなし
出典は『其中日記(八)』。『草木塔』に「雑草風景」とある中の句。
昭和10年(1935年)5月1日、小郡の「其中庵」で詠まれた句。
水あり水を飲むうらら
出典は不明。
若山牧水の歌が表に2首裏に1首刻まれた碑が1基あった。
しら玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりける
ふるさとの尾鈴のやまのかなしさよ秋もかすみのたなびきてをり
うす紅に葉はいちはやく萌え出でて咲かむとすなり山ざくら花
「
しら玉の
」は第4歌集『路上』、「
ふるさとの
」は第6歌集『みなかみ』、「
うす紅に
」は第14歌集『山桜の歌』に収録の歌である。
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