泉質はナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩温泉。(弱アルカリ性低張性高温泉)泉温は58.5℃。pH7.5。 |
大正元年(1912年)8月26日、夏目漱石は「塵表閣」に滞在している。 大正5年(1916年)8月20日、志賀直哉は信州上林温泉、加賀山中温泉にしばらく滞在。 |
大正5年(1916年)12月9日、夏目漱石は49歳で没。 |
昭和2年(1927年)10月18日、斎藤茂吉は下高井教育会の講演に招聘され、上林温泉に宿泊。 |
上林温泉歌會 一首 秋さむくなりまさりつつ旅を來て北信濃路に鯉こくを食ふ
『ともしび』 |
昭和9年(1934年)8月5日、与謝野晶子は野尻湖から上林温泉「塵表閣」に泊まっている。 |
日のなごり彼方にありて山五つ黒し越後と信濃の間 夕焼を空に隔てて真黒なり越後信濃の山の一列 ゆくりなく塵表閣のひろ間にて先生と飲む信濃の番茶 浴堂の三方廊二もとの合歓花(ねむ)が包みて餘りあるかな
「山上の気」 |
昭和23年(1948年)8月25日、高浜虚子と星野立子は長野句謡会で塵表閣を訪れる。 |
八月二十五日。長野句謡会。上林温泉、塵表閣。 絵の如き秋の山家と指しぬ 鹿垣かあらぬかいたく崩れたる 間引くのも羽虫とるのも一心 何事もたやすからずよ菜間引くも |
八月二十五日、信州の上林温泉に句謡会で出かける。 塵表閣といふよい温泉宿に二泊。地獄谷へ向つて少し行 つたが途中引返し句会。 ほとばしる秋水おほふ道の草 去に支度せるは女や大根畑
未刊句日記 |