2015年宮 崎

橘公園〜川端康成文学碑〜
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宮崎市大淀河畔に橘公園がある。

 大正3年(1914年)8月29日、長塚節は大淀川の橋の上により霧島を眺め、宮崎神宮へ参る。

   二十七日、宮崎にのがる、明くれば大淀川の
   ほとりをさまよふ

朝まだき凉しくわたる橋の上に霧島低く沈みたり見ゆ

「鍼の如く 五」



    朝まだき
すずしくわたる橋の上に
   霧島ひくく
    沈みたり見ゆ

「橘公園通り」


川端康成文学碑「たまゆら」


 二人は川べりに立って、夕映えのなかにつつまれて夕映えをながめた。夕映えは大川の水面にもひろがって来ていた。静かな水の色が夕映えのなかへふくらんで、あたたかく溶け合っているようだった。

 高くない山波は川上へゆるやかに低くなってゆく、その低まりの果てに、日が沈みかけていた。橘橋の影が美しく水にうつっていた。

小説「たまゆら」の一節から

 昭和39年11月、ノーベル文学賞作家の川端康成は、この地を訪れて、15日間滞在し、NHK朝の連続テレビ小説「たまゆら」を執筆した。

 「たまゆら」のテレビ放映は、宮崎への新婚旅行ブームに一層拍車をかけ、観光宮崎の礎となった。

 この碑は、川端康成をしのぶとともに宮崎の自然の美しさをたたえ、建立するものである。

昭和62年(1987年)11月16日、宮崎市建立。

昭和62年度、「橘公園通り」は日本の道100選に選定された。

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