2012年宮 城

大梅寺〜『草枕』〜
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仙台市青葉区茂庭字綱木裏山に大梅寺という寺がある。


県道31号仙台村田線沿いに入り口がある。


 松島瑞巌寺を退山した雲居国師(1582年〜1659年)が此所の白鹿堂跡に来て庵を結び終焉の地に定めた寺で、慶安3年(1650年)に創建された禅宗の古道場である。

参道の石段を登ると、小さな『草枕』の文学碑があった。


 山路を登りながら、こう考えた。

 智に働けば角かどが立つ。情に棹させば流される。意地を通ば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

大梅寺は夏目漱石の『草枕』に「陸前の大梅寺」として出ている寺である。

隣に芭蕉の句碑があった。


山路来て何やらゆかしすみれ草

出典は『野ざらし紀行』

 貞享2年(1685年)、京都から大津に至る山路を越えて行く時に詠んだ句とされる。

雪景色の石段を登る。


大きな『草枕』の文学碑があった。


「痛いがな。そう無茶をしては」
「このくらゐな辛抱が出来なくて坊主になれるもんか」
「坊主にはもうなっとるがな」 「まだ一人前ぢやねえ。――時にあの泰安さんは、どうして死んだっけな、御小僧さん」
「泰安さんは死にはせんがな」 「死なねえ? はてな。死んだはずだが」
「泰安さんは、その後発憤して、陸前の大梅寺へ行って、修業三昧ぢや。今に智識になられやう。結構な事よ」

「あの娘さんは、えらい女だ。老師がよう褒ほめておられる」
「石段をあがると、何でも逆様だから叶はねえ。和尚さんが何て云ったって、気狂は気狂だらう。――さあ剃れたよ。早く行って和尚さんに叱られて来ねえ」
「いやもう少し遊んで行って賞められよう」
「勝手にしろ、口の減らねえ餓鬼だ」
「咄この乾屎ケツ」(※ケツ=「木」+「厥」)
「何だと?」
 青い頭は既に暖簾をくぐって、春風に吹かれてゐる。

昭和63年(1988年)春彼岸、建立。

霊亀山大梅寺


臨済宗妙心寺派の寺である。

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