「夏草塚」

『ゆめのあと』

indexにもどる

 寛保3年(1743年)10月12日、芭蕉翁五十回忌に岡崎連中が魂魄野(こばの)に「夏草塚」を建立した記念集。

夏草塚


夏草や兵ともかゆめの跡

ことし寛保三癸亥の年十月中の二日は、芭蕉翁五十遠忌にあたれるより、高風を慕ふ輩、碑を魂魄野に築て、石面に夏草の吟をしるす事、此野は古戦場なれば也。生ひしげる草のゆかりに枯野の夢を結びあはせ、其草の種こぼれて此地にながく俳諧のたえざらん事を、しるす事しかり。

岡崎俳諧連中

   石面の発句に脇起リの例に倣ふて
   けふの法筵をひらき侍る

   歌仙

夏草や兵どもが夢の跡
   


 蝶の羽風も暑き痩畑
    朝宗



 追加

   春之部

永き日も囀たらぬ雲雀かな
   


鶯の初音や藪に都あり
   名古屋
 五条坊

脱で干す頃や松にも藤の花
   名古屋
 菊兎

   冬の部

松風の琴柱(ことぢ)に通ふ千鳥かな
   名古屋
 反喬舎

「夏草塚」に戻る