常世田長翠ゆかりの地
〜浄徳寺〜
享和2年(1802年)、常世田長翠は小蓑庵を中村碓嶺に譲り、浄徳寺門前に胡床庵を営み酒田に居住。 |
長翠佛苗五寸を見て。白川を越しより。予が庵を出羽のゆきゝの中やどりとして莎鷄の聲に草鞋をとき。はじめていく度といふもしられず。あるは松島の初日を詠葛のまつ原に櫻さくかたを枕と。覺英僧都を想像し。忍ぶ山には秋の日の暮ても。くれぬその願をしのびしも。今は昔のかたみぐさと成ぬ。予もさいつとしはこだてに病て。身は老命は露ながら。いまだ歩行神のはなれず。この塚に來て涙をこぼすは。獨りにしまぬ葉の上に向あはするも。遠からずとおもへば。 |
松ぞ散るひとり言いふ膝のうへ |
天保4年(1833年)、碓嶺は浄徳寺で墓参をしているようである。『をばながさ』 |