福天の御息もかゝれ玉の春 | 巣兆 |
つむり撫々祝ふかち栗 | 国村 |
麦二改 |
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此奥や雉子をやしなふ竹分限 | 虎武 |
屑家には鼠も騒げ帰る雁 | 国村 |
妻沼 |
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啼鶴にかたまる空や菫咲 | 可良久 |
着もの干す度に咲けり梅の花 | つくも |
門守が大工ぶりする雪解哉 | 五渡 |
世良田 |
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東風吹や野にさし出し門がまへ | 志塩 |
挑灯のてれんも見へ(え)ぬ桜かな | 巣兆 |
霞つゝ降つゝやがて角大師 | 春蟻 |
陽炎や鼠の穴も聟さわぎ | 浙江 |
いつも来る鳩杖どのや初ざくら | 車両 |
春雨に花売ひろふ烏帽子哉 | 一茶 |
西国の調度かけばや花に行 | 道彦 |
味噌汁もすむものとてや春の風 | 一瓢 |
梁(うつばり)にかんなもかけず花の春 | 寥松 |
幸清も七種うつをきかれけり | 成美 |
幸清者、所謂薬師幸清次郎也。 |
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晋子嘗詠レ之、今倣二其顰一。 |
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流山 |
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朝晩のおなじ霞に菜汁哉 | 双樹 |
古草や雲に入鳥あそばせて | 郁賀 |
竹植に来た顔で啼雀かな | 杉長 |
甲州 |
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古草のつれてひらめく霞かな | 漫々 |
秋田 |
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見所のあはれは梅の二日かな | 野松 |
石ノ巻 |
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十日ほど筆がとられず大根引 | 曰人 |
里の子が呼やこうなの花曇 | 平角 |
啼け聞ふ木曽の檜笠で時鳥 | 巣兆 |