建部巣兆

『玉の春』(巣兆編)

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文化6年(1809年)4月、『玉の春』(巣兆編)刊。自序。

福天の御息もかゝれ玉の春
   巣兆

 つむり撫々祝ふかち栗
   国村



  麦二改
此奥や雉子をやしなふ竹分限
   虎武

屑家には鼠も騒げ帰る雁
   国村
  妻沼
啼鶴にかたまる空や菫咲
   可良久

着もの干す度に咲けり梅の花
   つくも

門守が大工ぶりする雪解哉
   五渡
  世良田
東風吹や野にさし出し門がまへ
   志塩

挑灯のてれんも見へ(え)ぬ桜かな
   巣兆

霞つゝ降つゝやがて角大師
   春蟻

陽炎や鼠の穴も聟さわぎ
   浙江

いつも来る鳩杖どのや初ざくら
   車両

春雨に花売ひろふ烏帽子哉
   一茶

西国の調度かけばや花に行
   道彦

味噌汁もすむものとてや春の風
   一瓢

(うつばり)にかんなもかけず花の春
   寥松

幸清も七種うつをきかれけり
   成美

   幸清者、所謂薬師幸清次郎也。
   晋子嘗詠之、今倣其顰

  流山
朝晩のおなじ霞に菜汁哉
   双樹

古草や雲に入鳥あそばせて
   郁賀

竹植に来た顔で啼雀かな
   杉長
  甲州
古草のつれてひらめく霞かな
   漫々
  秋田
見所のあはれは梅の二日かな
   野松
  石ノ巻
十日ほど筆がとられず大根引
   曰人

里の子が呼やこうなの花曇
   平角

啼け聞ふ木曽の檜笠で時鳥
   巣兆

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