俳 書

蕉翁百回追遠集』



寛政4年(1792年)10月、一志庵一峩自序。大川立砂後序。森田元夢跋。


  下総馬橋
くだら野やソヨゲる松の一トかへり
   立砂

  
けふや今朝霜に野松の九十九髪
   一堂

  ゝ古ヶ崎
芭蕉忌や榻(シケ)のはし書百夜草
   探翠

  ゝ小金宿
(げ)にやけふ百味の薫る芭蕉の会
   可長

  ゝ(東都)
百とせの春や集て帰華
   松井

  下総竜台
百丸メまろめて上ん墳の雪
   南道

  上総富津
百とせの華や芭蕉にたびら雪
   砂明

  戸江
百とせも朽ぬ名や枯尾華集
   泰里

  今日庵
木に百は栢の不易や雪の墳
   元夢

  ゝ(上総富津)女
袷着て白き扇子のはつ音哉
   花嬌

  信州雲水
狐火の行衛見送る涼みかな
   一茶

  ゝ(下総布川)
蝉飛んで風の定る木の間哉
   馬泉

  下総田川
白雲の夢を覚して若葉山
   一白

   道灌山船繋松にて

跡垂て繋ぐや松に月の船
   立砂

涼しさや芦のうごかす浮御堂
   斗囿

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