白兎園宗瑞



『白兎余稿(二世宗瑞編)

明和元年(1764年)9月、一世宗瑞の二十回忌追善集として上梓。

二世宗瑞は広岡宗瑞。別号梅人、白眼臺、飛鳥園。

   春之部

鴬や餅に糞する椽の先
 翁

七種や春めく艸も七葉ほと
   
 梅人

近付をひらりと返す燕かな
下総岩部
 茂蘭

出代やおさなこゝろに物哀れ
 嵐雪

炉塞や櫓は馬て伊勢まいり
   尾州
 巴静

里やあるさくらもしらぬ薄曇
下総御所台
 兎什

藪入や親なき里の春の雨
   堅田
 李由

それそれの朧の形リやむめ柳
 千那

一夜寝にけり七くさの草まくら
 斑象

入相につかえておりる雲雀かな
   鴻ノス
 柳几

   夏之部

卯の華のたえ間叩かん闇の門
   
 去来

荒海のかさりみせけり雲の峰
 馬光

夢の世をさめよさめよと行々子
   加賀
 祖英

みしか夜や蚤時鳥明の鐘
   尾州
 也有

   秋之部

南瓜やずつしりと落て暮淋し
 素堂

木ましのふ斧の恩有栗月夜
   岩城
 露沾

動きなき岩撫子やほしの床
 曽良

起て行ほしも立よれ鏡山
 以之

名月や百わらひ合物かたり
 鳥酔

   冬之部

雪の松折れ口みれは猶寒し
 杉風

   翁の画に賛す

花鳥に並ふ柏のかれ葉哉
 路通

舞の手に神はおたち歟散銀杏
   ミノ
 廬元

切れ先の吹かれて歩行寒さ哉
   イセ
 涼菟

舟繋く木を陸へかる懸菜哉
 柳居



追善追善

月日計いと恨しは昔の事にして古園の風流当今の白兎主人にさかん也

其道は色かえぬ松と残りけり
   
 竹阿



古白兎園は前五色の一羅漢也予も交り常ならす或時扇に句を望けれは

   山も今朝雲一重着て秋は来ぬ

と書て給ひし事なと今の様に思ひ出られて

尾花にも其語り句や其あふき
   
 素丸

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