堀麦水

『新みなし栗』(麦水編)



樗庵麦水編。

安永5年(1776年)、『新虚栗』編。

安永6年(1777年)、『新虚栗』刊。

   春 吟
   
芭蕉翁
勢ひあり氷消ては瀧津魚

      此句今までの撰にもれたる
      よし、但州より告げたり。

はつ音皆心に対<コタ>ふ是春か
   麦水

   
人 日

幕柳舎
妹がりの川辺出直す若葉哉
   希因

千代尼
蝶々やなれもはら立ツ日のあらん
   素園


餅喰らふ詩人鈍しや神の春
   几董


燕啼て夜蛇をうつ小家哉
   蕪村

花を樵(きこ)ル僧却て酒を禁ずるや
   二柳

青梅や捧心の人垣を間<ヘダツ>
   蕪村

   再 会

山河三とせ霜葉玉を埋ミぬる
   二柳

胡馬冬忘る風の陽<ミンナミ>
   樗庵

胡鬼<コキ>の実の吸物椀にすはりけり
   北枝

うき我に碪うて今は又やみね
   蕪村

   去年は君に送られて南し、今は君
   が北するを送る。

夢に入リ来雪路をおもふ夜は
   二柳

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