俳 書
『しぐれ会』(文化4年刊)
影堂の芽ふき松のはしらのしつか |
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さ |
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しくるゝや通夜のうへ行うらちとり | 千影 |
燃る木の葉の香に匂ひけり | 祐昌 |
一座捻香 |
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病の床かろからす、けふの席上をさ |
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けて、あたり近き伏屋にひとりうつ |
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くまる |
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まてはさそふものにもあらす時雨雲 | 祐昌 |
四来奉納 |
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道の相続は質素にありとは、守にや |
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すき掟にして尊く、此日御魂を弔う |
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茅舎にも祭奉りて |
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御在世の煎豆ゆかし翁の忌 | 木朶 |
浜松 |
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木守の柿赤々としくれけり | 柳也 |
豊後杵築 |
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秋よりも人の待るれ桐火桶 | 菊男 |
香華をさゝけて、寿量品を読誦す |
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翁忌や四海皆帰の雲と水 | 瓦全 |
平松女 |
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花の咲木はさくらにて初しくれ | 志宇 |