建部巣兆
『せき屋でう』(巣兆編)
八月中旬より誹かい熟す。但し大みやうの金借ル比、または炉びらき・口切の時せつ、すべてふさがり、明の方にむかひて兵庫に行事大によし。 |
旅窓春興 |
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秋香菴 巣兆 |
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高砂に親の書もあり筆はじめ |
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なにはにて |
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柿壺や奥に老木の梅の花 |
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句順任先例 |
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咲初し日をこそしらね松の花 | 李喬 |
息岑のあり明ならず梅の花 | 春蟻 |
春の水春のさざ浪いづこまで | 完來 |
結び昆布春のもの迚解安き | 寥松 |
いつの年も月夜なり鳧わかな摘 | はまも |
鶴龜のうぐひす聞て居に鳧 | 道彦 |
居ねぶりのうちも梅咲日なた哉 | 成美 |
鳥追ひが寐せてはおかぬ門の春 | 其堂 |
ぬる蝶にさはりさはらで蝶飛ぬ | 一草 |
須磨同行 |
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蜑の家は師走もしらぬ月夜哉 | 岳輅 |
窓しらしら瓶の梅が香春をはく | 二柳 |
ふたり出みたり出つゝわか菜摘 | 奇淵 |
松かぜは吹ものにして春のかぜ | 斗入 |
梅の花正月おゝきところかな | 升六 |
霍聲居 |
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風花も降う氣しきの柳かな | 國村 |
在于時享和二年壬戌生月吉辰秋香菴主 |
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大坂柿壺客中就需飛校畢 |