五柏園丈水

『猿墳集』


五柏園丈水の芭蕉句碑建立記念句集



年々や猿にきせたるさるの面

天明8年(1788年)冬、自序。

   歌仙
   故翁の句を頭にかふむりて
   おそれミおそれミ脇を吐く

   芭蕉翁
年々や猿にきせたる猿の面

 はつ文台の薫誦再拝    丈水



   愚老七旬に傾けれは社中の
   人々とりとりの思ひ続を
   袖にして給りけれハ五七五を
   吐て戯れ侍るを薄帋にかい付其
   一遍を爰に記す

   丈水
笑へ笑へ七十年の猿の舞    

 豊に響く松囃子かな    半素



涼しさや夫婦蓙織片家陰   鎌倉女 仙鳥

杜宇待夜の友や膝かしら   大坂 二柳

   遠国之部

陰日向なしにはたらく柳かな   伊勢山田 麦浪

去年見し鵜匠ハ今年見へぬ哉    蕪村

鴈啼や物着て舟をおして行    蝶夢

庭鳥の臼に眠るや春の雨   鴻巣 柳几

いふ事の聞てや高く花ほたろ   尾 名古ヤ 曉臺

後は空の花也郭公   豆 熱海 呑吐

花守ハまた埋火やおほろ月   賀 津幡 見風

こよひなれや月にむかふも月の上   半化坊 闌更

影坊の日陰へ廻る清水哉   青梅 凉宇

    武юツ梅

    小蓑菴連
名月や常ハまたるゝ渡舟    支兀

   追加

名月の空に吼るや山の犬   東都 成美

葉桜や鐘楼を洩る日の薄き   下総 玉斧

日ハ花の中より暮る木槿かな   出羽 五明

雲われて山尖けり冬の月   南部 一草

寒き夜の夜着かふるにも念仏かな   伊豆 松十

朝霧や何気隠れにむらふたつ   伊豆伊東 らん

人の気の人に成る日や御祓川    兎山

稲妻の姿に啼やほとゝきす   竹陰者 祇徳

   ヲキノ
梅咲や雪の下行水の音   麦穂庵 村水

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