岩間乙二



『斧の柄』(乙二編)

文化9年(1812年)、『斧の柄』(乙二編)。平角序。布席跋。

御子等子に参らする也杜若
   青標

   雨石・大胆が相もちの牛若丸となづけた舟
   のいわゐ(ひ)に招かれて、

そも旅にときんもかけずむさし坊
   太呂

みのむしの下がる所に涼けり
   星左

灯籠が消ても来るや水貰ひ
   乙二

   斧の柄と名づけて僑居にうつりし時

折柴の猶ほそかれや炉のけぶり
   乙二

   あくるあした

さむけれどたのもし月のもりしあと
   ゝ

 ぬぐひまもなくならぶ雪沓
   来車



   はる立てまだ九日といふ頃より、脚たゝぬ病
   にふして、やよいなかば過るにも、いまだま
   くらをもたげず。

蛭子とも波をはなれし蜊(あさり)とも
   乙二

髭しらが思へば春にうとまれし
   ゝ

   はるより亜叟の例ならぬ臥床に侍りて

梭投るうちぞさほ姫たつたひめ
   太呂

   海外にありて

このやうに菖蒲葺ても寒かな
   乙二

 旅のこゝろはけしか寄藻か
   布席

岩間乙二に戻る