鈴木荘丹



『能静草』

文化5年(1808年)、夏目成美序。

 能静草叙

 吾蕉風にをけるや翁か洒落ハ置て論せす、たゝ其・嵐の風骨をうかゝひ蓼先師の譚笑をしたふ、

 ○春の部

   誌寿蔵

うくひすや朝な朝なの布施に何

春雨や橋場菴崎眞乳山

   臥龍梅

蓼師
うめかゝの這渡りけり茶店か床

   足利学校

釋菜の跡のしらへや春の鳥

寛政辛亥季春六日修造寿蔵于武州足立郡鈴谷邨妙行寺因観兼好法師之和歌

華さくら雙岡のおもひかな

妙行寺


   吾呼古されし菜窓の号を贈るとて

花なから参らせ篭や莖立菜

   蓼師と周竹叟ミちのくの行を千住に送る舟中吟

夏川やはなれぬ鴛の船二艘

   日本橋

朝雰(霧)や歌舞伎の太鼓河岸のこゑ

   新大橋の辺を散歩す

まつ宵と標零(澪標カ)見ゆるうしほかな

 ○冬の部

室八島
遙拝に里は小春の茶の烟

   真間

落葉たく祖父ハ若木も寺紅葉

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