五束斎木朶

『松葉塚』(木朶編)

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 芭蕉百年忌に「ごを焚て手拭あふる寒さ哉」「さむけれとふたり旅寝そ頼もしき」の両句を発句とする歌仙2巻を聖眼寺境内の松葉塚に供えた。

松葉塚


 五束斎木朶は吉田の宿屋現金屋長兵衛。名古屋の五条坊木児に師事。初号楚笠。

文化7年(1810年)4月、84歳で没。

ごを焚て手拭あふる寒さ哉
芭蕉翁

 面影うつるけさのはつ霜
   木朶



さむけれとふたり旅寝そ頼もしき
芭蕉翁

 一樹の木の葉つもる百年
   古帆




二川

時雨るもけふの栄なり百年忌
   南圭



我も我もけふ百とせの一時雨
   一隱



聖霊山の境内に松葉塚あり、曽て巴牛か再建して粟津本廟の土をもて魂をむかへ置しか、今や一百年忌の遠忌に人々とともに碑前に跪て、拙き一章を手向たてまつる

霜の草爰に百年の杖の跡
   木朶

石山のおく幻住庵にて、芭蕉翁のまつたのむと吟したまひし椎の古木をもて作りし文台を、あるとし都の五升庵より木朶へ贈りあたへられしを、けふの法筵にとうてゝおのおの懐旧の章を備ふるぞ、老の本懐ならんかし

文台にけふ咲かせけり帰花
   虚白

 老の小春にあそふ此時
   木朶



   四季混雑      当国

畠村
ひきとめん琴の緒もかな帰る雁
   子蔵

おそれおほき手にも摘るゝ若葉かな
   為蝶

亀崎
老の眼と合点のうへも霞ミかな
   免孔

保美亡人
紙屑もとりあけられて土用干
   路喬

知立
紫陽花のついに物うく散る日哉
   祖風

当所亡人
明鴉よろこひ啼や仏生会
   巴牛

亡人
はつ鰹すつしりおもし古布子
   才二


   諸国各詠      四季混雑

浜松
浅沼の水吹よせて氷けり
   徐生

落葉ミな掃て淋しき夕かな
   白輅

打乗てみたきこゝろや春の海
   柳也

江戸
夕すゝみ精進落てもとりけり
   梅人

冬の夜や日帰りに行馬の粥
   烏明

秋風や鳥啼ぬ日のすみた川
   完来

死たしと思ふ日ハなし盆の月
   午心

中川の関こそ霞めかもめなく
   宗讃

秋なすひ薬に焼そ哀なる
   成美

毛呂
面白のはたしの人や春の草
   碩布

鴻巣
行ハゆくしされハしさる霞かな
   柳也

南部
誰となく友のまたるゝ月夜かな
   素郷

秋の夜や世ハさまさまの高笑ひ
   平角

越後
こからしのすんすと吹や町の中
   桃路

梅持て室を這出る男かな
   徐々


越前
山鳥の尾に暮かゝるさくらかな
   二逐

義仲寺
秋立や生死はなれて小手枕
   重厚

   草庵の前栽に萩所せきに>

洛陽
かき上て盥なをすや萩の花
   蝶夢

浪華
なからへて牡丹にあひぬ冬の蠅
   二柳

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