白井鳥酔

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『けふの時雨』(百明房鳥酔)

 延享2年(1745年)秋、白井鳥酔が門人雨竹・芹江に伴われて箱根塔ノ沢一の湯に湯治した折の記念集。

江の月に是も寝かねる千鳥哉
   千杏

はつ雪やまた気のつかぬ梅に迄
   弄船

   我父の伴ひまいらする両法師に対して

こまもよし栗も必すみやけ物
   少年 玉吹

   留別

るゝ彼是入れて頭陀の秋
   雨竹

色かへぬ松に定て首途空
   芹江

 早雲寺を手にとるやうに見なして爰の米まんちうを力とし右の草径へ入る。

往し元文巳の夏山伏の先達し此処に来り侍る比、谷の戸や花柚匂はすとありし老師仮世帯の吟を先ツ思ひ出し其柚を調して

朝夕や柚味噌の釜の仮世帯   百明房

   追加

磨の茶は常磐の色や初しくれ
   柳居

死ぬとてもおなし蓮や鰒の鍋
   門瑟

むしろ帆に天窓はつるゝ寒かな
   秋瓜

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