一茶の句



『寛政句帖』

寛政4年(1792年)から寛政6年(1794年)にかけての一茶自筆の句帖。

   寛政四年次 壬子 春王

   白日登湯台

三文が霞見にけり遠眼鏡

   首途の時薙髪して

剃捨て花見の真似やひのき笠

   浅間山の麓過る時

畠打が焼石積る夕べかな

父ありて母ありて花に出ぬ日哉

伊香保根や茂りを下る温泉〔の〕煙

通し給へ蚊蠅の如き僧一人

浜松や蝉によるべの浪の声

涼しさや見るほどの物清見がた

月影や赤坂かけて夕すゞみ

笠寺に予はかさとりてすゞみ哉

能い女郎衆(ぢよろしゆ)岡崎女良(郎)衆夕涼み

しづかさや湖水の底の雲のみね

きさがたや浪の上ゆく虫の聲

松島や三ツ四ツほめて月を又

   癸丑歳旦

君が世や旅にしあれど笥(け)の雑煮

君が世や寺へも配る伊勢暦

君が世やから人も来て年ごもり

から人と雑魚寝もすらん女哉

初霜や殺生石も一ながめ

   甲寅歳旦

雑煮いはふ吾も物かは旅の春

初夢に古郷を見て涙哉

   別 戀

きぬぎぬやかすむ迄見る妹が家

鳴戸(門)なる中を小島の雲雀哉

   遠 望

冬の月いよいよ伊与(予)の高根哉

八日、四国巡礼せんと首途して琴弾山に登る。聞説

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