白井鳥酔

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『鳥酔居士句巣』

元文5年(1740年)より明和3年(1766年)の発句1170余句を手記せるもの。

元文五申歳旦三斛庵初めて構営せし年也

いにしへのなら茶を今や花の春

汐くみの番ひはなるゝ霞かな

かんこ鳥船は向ふの岸に居[る]

戊寅(宝暦8年)

   住吉たからの市

月ひとつ宝拾ふや市の跡

くたけすに殺生石の霰かな

   かまくら光明寺にて

今は蒔く青砥か銭も十夜かな

   遊行寺にて

手渡しの落葉を得たり法の場

最一景稲妻添ん瀬田の橋

蜻蛉や殺生石を屹度見る

乙丑(延享2年)孟冬十五日夜、そこの国へ行脚の頃、晩成・雨竹両士にそゝなかされ、鎌倉の夜歩行して三章
大仏
白毫は舎に冴て星の中
光明寺
今はまく青砥の銭も十夜かな
鶴ケ岡
仰向は高し霜夜の鶴か岡
丑ノ暮
月花を仕直す手間や年の[闇]

延享三丙寅秋 先生吟ハ句集ヘ写ス
老師同道洛中吟

日の岡仙行房か許をあるしとす。庭前の松に第す。
八月廿四日
渡り来る鳥の都や千本松

粟津義仲寺碑前
□□廿五日
雀さへ粟津慕ふや墓の秋

東山端の寮に遊ひて
八月十日
丸山や膳に露打つ軒の木々

男山の麓に舎る 前書略
同十四日
まつ宵や放さるゝ鳥も人も寝す

宇治橋上
同十五日
山吹の瀬を又咲やけふの月

黄檗禅院
仝十六日
白壁の雲奥深し秋の山

清水寺堂上
仝十六日夕
十六夜や三筋の瀧はへりもせす

いせ奉納
同年夏
木下闇もなき代にあひぬ神路山

戊寅(宝暦8年)

唐崎や杖を千もとの散松葉

全句数千百四十一洛陽記行除之

此間他本

明和三戌(ママ)

似た僧のけふも立寄柳哉

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