巒寥松
『八朶園句纂』
(白梅社中編)
天保2年(1831年)、刊。八朶園寥松句集。
はつ花におつとり出る田槌かな
耳なしの山のくちなし秋たちぬ
時雨窓月巣うせぬと聞て
駿河茶の香もうすらぎぬ秋の暮
悼
兄直
日をふるわづらひもすこし怠るやうに見ゆなど人のいへるに、たのもしく菊の節句の頃はさぞと侍しかひなくて
茱萸にかへぬ薬ぶくろぞなみだなる
悼
午心
世にありてのたのしさと、なくてのたのしさといづれ。
とても行道とやさきも花のとき
巒寥松
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