旧伊藤傳右衛門邸 この建物は筑豊の著名な炭鉱経営者であった伊藤伝右衛門の本邸として明治30年代後半に建造。大正初期、昭和初期に数度の増改築が行われました。 高い塀は旧長崎街道に面しており、福岡市天神町にあった別邸(通称銅御殿)から移築された長屋門や、伊藤商店の事務所が目を引きます。邸宅は南棟(正面)、北棟(庭側)、両者を結ぶ繋棟、西棟の家屋4棟と土蔵3棟からなり、池を配した広大な回遊式庭園を持つ近代和風住宅です。 建物の見所は和洋折衷の調和のとれた美しさ。当時先進的だった建築技術や、繊細で優美な装飾を随所に見ることができます。また、柳原Y子(白蓮)が伝右衛門の妻として約10年間を過ごしたゆかりある地であり、伝右衛門や白蓮に思いをはせる場でもあります。筑豊における石炭産業の歴史と、これに関わった伝右衛門たちの人生を物語る貴重な遺産をごゆっくりご覧ください。 |
傳右衛門邸に更なる魅力を醸し出す庭園は、明治末期から大正初期頃の造営と考えられます。水源に見立てた深山から石を敷き詰めた渓谷の風情へ、さらに下流に至るまで悠々たる川を再現し、太鼓橋(円月橋)や噴水を配した回遊式の庭。表情豊かな16基の石灯籠や層塔を添え、巨石、奇岩を姿良く置いた完成に驚かされます。四阿(あずまや)も面白く、八角形の躯体はシュロの木を柱とし、多様なくり抜きを施した腰壁や小壁。宝形(ほうぎょう)造りで茅葺の屋根が野趣豊かな表情を演出します。園路はもとより、屋敷のどこから見ても楽しめる壮大な庭をご堪能ください。 |
明治44年(1911年)2月22日、伊藤伝右衛門は柳原Y子と結婚。伝右衛門50歳、Y子は25歳。 |
おもひきや |
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月も流転の |
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かけそかし |
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わかこしかたに |
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何をなけかむ |
解説 晩年に、わが身をふりかえり、月の満ち欠けと自分の一生を思い合わせて「わがこしかたに何をなげかむ」と強く生きる覚悟を表した歌です。
ことたま会 |
平成26年(2014年)、連続テレビ小説「花子とアン」放送。 「安東はな」は吉高由里子、「葉山蓮子」は仲間由紀恵、「嘉納伝助」は吉田鋼太郎だった。 |