文学碑
無法松之碑
昭和13年(1938年)、『富島松五郎伝』の題名で『改造』の懸賞小説に応募して佳作入選した。 昭和18年(1943年)、大映京都撮影所が『無法松の一生』の題名で最初の映画化。 |
古船場三丁目――独身者の松五郎が住んでゐた町で此の町は俥夫、羅宇の仕替、香具師、土方等の自由労働者達が大勢住んでゐた。そしてこの町には木賃宿が三軒もあって、渡り鳥の様に町から町へ漂泊する猿廻し、オイチニの薬賣り、山伏等がいつも一杯だった。
富島松五郎傳より |
古船場町の人富島松五郎は無法松の名をもって知られたがその性純情にして清爽、哀切の生涯は我々の胸を打つものがあった。無法松は岩下俊作の詩と夢の世界に生まれた永遠の人間像である。市井の歌である。美と愛の精神である。
劉寒吉識 |