芭蕉の句碑


古池や蛙飛込水の音

高崎市倉渕町三ノ倉に倉渕東小学校がある。


倉渕東小学校の裏に全透院という寺がある。

曹洞宗の寺である。

延徳元年(1489年)、木部新九郎が開基したとされる。

鐘楼門梵鐘


明和9年(1764年)、建立。

梵鐘は太平洋戦争で供出させられた。

昭和25年(1950年)3月、鋳造。

三倉山全透院


本堂の手前左手の築山に芭蕉の句碑があった。


古池や蛙飛込水の音

出典は『蛙合』(仙化編)。

貞亨3年(1686年)春、深川芭蕉庵で詠まれた句。

『はせをつか』(楓幻亜編)に収録されている。

上部三分の一欠落している。

 『はせをつか』(楓幻亜編)に「時雨冢 同所同院 はつしくれ猿も小蓑をほしけ也」とあるが、こちらは国道406号沿いの旧家にある。

 この句碑の上三分の一が欠けて根ばかり残っている虫歯のようなのが、群馬郡倉渕村三ノ倉の曹洞宗全透院にある。幅四尺高さ三尺ほど現存するから、当初は相当大きな石だったことと思われ、文字も達筆、彫りもこったものだけに惜しい気がする。三ノ倉はこの谷の中心で、宝暦のころすでに江戸の宗匠貞墨が流れて来て(寺中に墓がある)俳壇を取立てているくらいで、この年号のない芭蕉塚は案外古いかもしれない。貞享三年「春の日」中の句。

『上毛芭蕉塚』(本多夏彦著)

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