芭蕉の句碑


木からしに岩吹き尖る杉間かな

 南国市十市の県道14号春野赤岡線バイパス峰寺トンネルの上に禅師峰寺がある。


山門


禅師峰寺(ぜんじぶじ)略縁起

 寺伝によれば、平城天皇の大同2年(807年)に、弘法大師が一宇を建て海上安全祈願のため自刻の十一面観世音菩薩を当時の本尊として安置せられ、四国八十八カ所のうち32番と定められた。当山は観音の浄土天竺補陀落山さながらの霊域にしてその山容八葉の蓮台に似たりとして八葉山と号し、大師当山において求聞持の法を修せられたので、求聞持院と称す。藩政時代藩主が浦戸港出帆の際必ずこの寺の観音に海路平安を祈った。このことから船魂観音とも呼ばれている。金剛力士像2体は仏師定明の作(正応4年)で重要文化財に指定されている。(保管庫で保存)

南無大師遍照金剛

本堂


真言宗豊山派の寺である。

左手に太子堂がある。

奇岩に埋もれるように芭蕉の句碑があった。


木からしに岩吹き尖る杉間かな

出典は『笈日記』

 元禄4年(1691年)10月、大津から江戸に向かう途中、三河の鳳来寺で詠まれた句。

文久3年(1863年)4月、蓮同社建立。松窓書。

海を見下ろす。


桂浜が見える。

昭和19年(1944年)、荻原井泉水が禅師峰寺に遊び、句を残している。

梵音海潮音海はコンジョウ鐘のなる

芭蕉の句碑に戻る