芭蕉の句碑滋 賀


夕顏や秋はいろいろの瓢かな

長浜市今町に八坂神社がある。


八坂神社の南の道を東に行くと、水路沿いに芭蕉の句碑があった。


夕顏や秋はいろいろの瓢かな

出典は『阿羅野』(荷兮編)。

貞亨5年(1688年)、芭蕉45歳の句。

『芭蕉句鑑』に「青瓢の題を得て」と前書きがある。

 季節の移ろいへの新鮮な感動のなかに、花も実もある人の世を投影させた芭蕉の句。万物をいたわるやさしさと、生かされて生きる喜びの心情がにじんでいる。

   碑裏
霧雲やはれて南無阿彌陀の月
   九々憐山石

 山石は、浅井町醍醐寂静院の僧で、今町同好有志らの宗匠。迷いや悩みの雲がすっかりはらわれてすがすがしい月に合掌する胸中を詠んでいる。

 この碑は、明治29年俳聖芭蕉没後200年を記念して今町の先人雅友によって建立され、鍛冶屋街道沿いの「念仏塚」と称された老松の下に立っていたが、ほ場整備のため昭和63年春にこの地に移された。

 今町社中らの俳聖への熱い思いと信心に感激した山石宗匠は、芭蕉愛用の瓢箪型の「風羅器」と称する木魚を贈った。それは、現在も資料とともに町で保管されている。

 ふたつの句と建碑由緒から、先人たちのひろい心、深い教養、固いきずながしのばれる。

伊吹山が見える。


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