芭蕉の句碑


父母のしきりに戀し雉子の聲

明和町矢島に芭蕉の句碑がある。


芭蕉の句碑


父母のしきりに戀し雉子の聲

出典は『笈の小文』

貞亨5年(1688年)春、芭蕉が杜国と高野山を訪れて詠んだ句。

   高野

ちゝはゝのしきりにこひし雉の声

ちる花にたぶさはづかし奥の院   万菊

万菊は流刑中の杜国。

 元禄元年「曠野」の句。この句がよまれた本元高野山には大雅堂の名筆で目のさめるような句碑があるが、県下では迦葉山に貧弱な円鏡型のが一基とこの邑楽郡明和村矢島の遍照寺樽見ちかさん方地先に一基あるのみ。この方は中をのぞくとばけ物が出そうな不動堂背景に不似合な五尺に二尺五寸の堂々たる根府川石で、明治三十二年八十四翁小野素水書も見事な出来。裏面に何か刻んであるが、この句を選んだ訳は分らない。

『上毛芭蕉塚』(本多夏彦著)

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