温井川の中の島に祭られた弁財天は、治水の都合で昭和48年に現状となったが、七福神中の女神であり、音楽・弁舌・福徳・財宝をつかさどる神として信仰をあつめている。社は天明3年5月に建立された石の祠で、本年は祭祀200年に当るので、参道改修大鳥居を地区有志により奉納した。 例祭は毎年春巳の日に行う。 境内には芭蕉の句碑があり、この島には清冽な清水が湧でていて、旅人の喉をうるおしたとの句である。 昭和58年3月6日巳の日
新町第一区 |
貞亨年間(1684〜88)、芭蕉41歳〜44歳頃までの句ということだが、年次不明。 |
上毛新町駅弁財天女の霊地なるみとりの清水は、その清涼なる事遠近の人の知る処にして、また往来の過客、暑さをしのくの一助たり、よて祖翁の誉吟を碑面にいとなミて、不朽に伝ふる事とはなりぬ |
むすぶよりはや早歯にひひく泉かな | 祖翁 |
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しはしと誰もたのむ夏蔭 | 一静 |
『槻弓集』(13編) |