芭蕉の句碑


名月にふもとのきりや田の曇り

山梨市牧丘町倉科に黒戸奈神社がある。


黒戸奈神社


延喜式内社である。

黒戸奈神社に芭蕉の句碑があった。


名月にふもとのきりや田の曇り

出典は『続猿蓑』(沾圃編)。

 元禄7年(1694年)8月15日、伊賀上野「無名庵」で月見の宴を催した時の句。

明治15年(1882年)晩秋、建立。

黒戸奈神社本殿


黒戸奈神社(倉科)

 大字倉科の総鎮守社で、素盞鳴尊を祭神とす。神社の創立は明らかではないが、大宝2年(702年)勅願により創建と云う。国家安泰、五穀豊饒、万民幸福の祈願所とされ、甲斐国志に「唐土大明神」とあり御朱印神領2石8斗なり。

 本殿は一間社流れ造り桧皮葺にて、身舎は円柱、正面に両開き板唐戸、三方板壁にて高欄付の縁をめぐらす。向拝は面取角柱にて繋虹梁は用いない。屋根は箱棟にて正面に3つ両側に各1徳川の紋章を付け徳川氏の神領寄進を示す。裏側に武田花菱2つを付す。

 境内には諏訪、蚕神、愛宕、白山、稲荷、厳島、玉寄、庖瘡、子安、道祖神、天神の各社を併祀する。

 武田氏のころは戦勝祈願所とされ、永禄7年(1564年)7月馬場美濃守信春寄進と伝える御神鏡を存す。

 「鼓川波の白ゆう打ちかけて、音も名に立つ黒戸奈の宮」の古歌あり。例祭は毎年4月12日でこの神社で奉納される太々神楽は町指定の民俗文化財なり。

牧丘町教育委員会

2005年3月22日、牧丘町は山梨市・三富村と合併し、山梨市となった。

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