芭蕉の句碑


樫の木の花にかまはぬ姿かな

前橋市上小出町に香集寺という寺がある。


越出山香集寺


臨済宗建長寺派の寺である。

香集寺に芭蕉の句碑があった。


樫の木の花にかまはぬ姿かな

出典は『野ざらし紀行』

 貞享2年(1685年)、京都で三井秋風の鳴滝の別荘を訪れて詠まれた句。

樫の木の花にかまはぬ姿哉
   桃青

 家する土をはこぶつばくろ
   秋風

文化8年(1811年)、藍沢乙麿建立。乙麿は無満の前号。

香集寺にもうひとつ芭蕉の句碑があった。


しはらくは華のうへなる月夜かな

出典は『初蝉』(風国編)。

貞亨5年(1688年)春、芭蕉45歳の句。

嘉永2年(1849年)、藍沢無満建立。

2基ともに『はせをつか』(楓幻亜編)に収録されている。

 無満は上小出村(現前橋市上小出町)の人。逆境にありながらも学問に心を向け、香集寺の寺僧は筆墨を与えたという。

無耳庵蓮阿の句碑があった。


ゆふがほの花のあたりはくれにけり

文化文政年間、無満建立。

無満は蓮阿に俳諧を学ぶ。

無満の歌碑があった。


枝鳴らすかぜはみ山のおくも吹くよし世の中にみみやおほはん

安政2年(1855年)、建立。

上小出町の小出神社に無満の句碑がある。

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