芭蕉の句碑


子規大竹藪をもる月夜

足利市助戸町に定年寺というお寺がある。


曹洞宗定年寺


定年寺に芭蕉の句碑があった。


子規大竹藪をもる月夜

出典は『嵯峨日記』。

元禄4年(1691年)4月20日、嵯峨の落柿舎に滞在した折に詠まれた句。

芭蕉48歳の時である。

 落柿舎は昔のあるじの作れるまゝにして、處々頽破ス。中々に作みがゝれたる昔のさまより、今のあはれなるさまこそ心とヾまれ。彫せし梁、畫ル壁も風に破れ、雨にぬれて、奇石怪松も葎の下にかくれたるニ、竹縁の前に柚の木一もと、花芳しければ、

   柚の花や昔しのばん料理の間

   ほとゝぎす大竹藪をもる月夜

『嵯峨日記』(4月20日)

 『芭蕉庵小文庫』(史邦編)には「もる月ぞ」、『泊船集』(風国編)、『風羅袖日記』には「大竹原を」とある。

文化15年(1818年)、句碑建立。

 『諸国翁墳記』に「□□□ 下野足利郡助戸村定年寺境内 金令舎社中立」とある。

金令舎は鈴木道彦の俳号。

定年寺本堂


梅が見事に咲いていた。


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