「はせを」の句碑


山さとの月日は長し菊の花

沼田市白沢町岩室に岩室神社がある。


岩室神社


岩室神社に「はせを」と書かれた句碑があった。


山さとの月日は長し菊の花

この句は芭蕉の句として伝わっていない。

仁井田碓嶺の書である。

碓嶺は常世田長翠の門人。

安永9年(1780年)、坂本宿中宿で代々旅籠を営む「中村屋」に生まれる。

弘化4年(1847年)、67歳で歿。

 いま利根郡白沢村岩室の鎮守の森入口にあり、元は生枝へ越える路傍にあったもの。三尺に二尺八寸の円形近い川原石に碓嶺の筆で気のきいたものだが、肝心のこの句が芭蕉句集に見えない。碓嶺は碓氷郡坂本の人で仁井田氏、早く江戸に出て常世田長翠に学び、一時春秋庵三世後に小蓑庵二世を譲られた位だから根拠のない芭蕉塚建立の指導はしまい、あるいは俳諧進入の早かったこの谷に意外な資料でもあったものか。

『上毛芭蕉塚』(本多夏彦著)

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