芭蕉の句碑


名月に麓の霧や田のくもり

鉾田市大和田の旧井川氏邸跡に芭蕉の句碑があるというので、行ってみた。


旧井川氏邸跡の庭の奥に芭蕉の句碑があった。


名月に麓の霧や田のくもり

出典は『続猿蓑』(沾圃編)。

 元禄7年(1694年)8月15日、伊賀上野「無名庵」で月見の宴を催した時の句。

 寛政5年(1793年)10月12日、芭蕉の百回忌に寿松庵水香建立。松籟庵霜後筆。石は根府川石である。

『諸国翁墳記』に「翁 塚 常陸鹿島郡大和田 水香建」とある。

大和田は対岸の下吉影と共に巴川の水運で繁栄を極めたそうだ。

 井川家も井川河岸と呼ばれる大和田の河岸業者として栄えた家で、寿松庵水香はその当主である。

松籟庵霜後は松籟庵大無の門人。『柳居発句集』の跋文を書いている。

 『東都古墳志』によれば、長慶寺に「二世松籟庵霜後居士」の墓が建てられたとある。

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