芭蕉の句碑


物言へは唇さむし秋の風

熊谷市円光に報恩寺という寺がある。


熊谷山大慈院報恩寺


曹洞宗の寺である。

報恩寺に芭蕉の句碑があった。


座右之銘

   人の短を言事なか礼

   己の長をとくこと奈か礼

物言へは唇さむし秋の風

出典は『芭蕉庵小文庫』(史邦編)。

明治24年(1891年)、内田朴山建立。

碑の裏に内田朴山の句が刻まれている。

   善光寺詣のかへるさ姨捨山にて

気ふの命ちとせなりけ利今日の月

朴山は熊谷の医家内田家七代目。叔父内田五八九の俳号日永庵を継承。

明治19年(1886年)、水音盟社を組織する。

明治25年(1892年)4月19日、64歳で没。

芭蕉の句碑と並んで、内田五八九の句碑があった。


人の日や落つきぶりに雪少し

元治2年(1865年)、建立。

内田五八九は成田蒼キュウの門人。
※キュウは虫+おつにょう

俳号皓々処。晩年は日永庵と号した。

 年代は不明だが、内田五八九は埼玉県の文殊寺で「永代奉額発句合」の評者であったようだ。

安政5年(1858年)5月11日、72歳で没。

五八九の句

たい(ひ)らみのあれば山路も揚雲雀


芭蕉の句碑に戻る。