芭蕉の句碑


今日斗り人も年より初時雨

桑名市東鍋屋町に本願寺跡がある。


本願寺

 当寺の由来は不詳ですが、江戸時代は本願寺村があり、古くからの古刹であったと思われます。境内に松尾芭蕉の門人である各務支考(俳号東華坊など)の分骨供養塔である「梅花佛鏡塔」があります。

 支考は蕉門十哲の一人で美濃派の創始者であり、美濃国だけに限らず近国に多数の門弟を抱えていましたが、支考が享保16年(1731年)美濃国で亡くなると、桑名の美濃派俳諧の指導的立場にあった雲裡坊杉夫は支考の墓に参詣しやすいよう分骨を受けこの地に鏡塔を建立しました。

 他に松尾芭蕉の「今日斗り人も年より初時雨」や雲裡坊から続く桑名の俳句結社「間遠社」の歴代社長句碑10基があります。

梅花佛鏡塔


桑名市教育委員会指定史跡である。

芭蕉の句碑


今日斗り人も年より初時雨

出典は『韻塞』(李由・許六共編)。

 元禄5年(1692年)10月3日、赤坂彦根藩邸中屋敷で開かれた五吟歌仙の発句。

大正12年(1923年)11月12日、間遠社建立。一味菴筆。

高味一味庵は獅子門(再和派)十九世道統。

昭和14年(1939年)2月12日、73歳で没。

「一世 有椎」の句碑。


尻居えて声はむかしに瓠かな

「一世 有椎」は雲裡坊の別号。

大正12年(1923年)11月、間遠社十世汀庵兎月建立。

大正14年(1925年)、兎月は麦林の句碑を建立。

昭和10年(1935年)、千葉汀庵は獅子門(再和派)二十世を継承。

昭和18年(1943年)8月8日、80歳で没。

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