芭蕉の句碑


道のへの木槿は馬に喰ハれけり

島田市金谷新町に長光寺という寺がある。


長光寺の石段


本遠山長光寺


日蓮宗の寺である。

長光寺に芭蕉の句碑があった。


   馬上吟

道のへの木槿は馬に喰ハれけり

出典は『野ざらし紀行』

貞享元年(1684年)秋、大井川を越えて詠まれた句。

昭和31年(1956年)5月、建立。

松尾芭蕉句碑

1644〜1694(天保1〜元禄7)

 伊賀国上野に生まれ、俳号桃青ともいう。芭蕉の号は深川の庵の周りに芭蕉が植えてあったので、それを号とした。

 芭蕉俳諧の特色は、日本文学の伝統的要素を新興文学たる俳諧の中に生かしたこと。つまり古い美と新しい美とを融合した点にある。

道のべの木槿は馬に食はれけり

 道ばたに咲いていた木槿の花は、私の乗っている馬にパクリと一口食われてしまった。何事が起ったというわけではないが、ついさっきまで咲いていた花はもう影も形も無い。唐突のようでもあり、当然のような気もして、なんだか瞬間に幻を見たような思いである。

 意識・心情の深さから、平凡な事柄に深遠な悟りにも似た禅機的心象を感じる句である。

金谷町教育委員会

2005年、金谷町は旧島田市と合併し、島田市となった。

金谷坂の石畳へ。

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