柳原極堂


『草雲雀』

昭和29年(1954年)、句集『草雲雀』を刊行。矢田挿雲序。

   「ほとゝぎす」より

城山や筍のびし垣の上

   「新俳句」より

柿の木に鶯鳴くや石手村

   「鶏 頭」より

   霽月逝く

白髯を遺して君や春寒し

花に來て寺の田樂よばれけり

梅活けて置けば水仙さゝれけり

   九條武子の墓

木芽垣女人の墓の掃かれあり

舟涼し朝飯前の島巡り

松島や島々影し舟涼し


島涼し夕餉の宿の釣ランプ

温泉歸りの手拭白し夏燕

雨垂れの音も添ひ來て夜寒かな

石手寺の塔が見えをり野茨道

月に佇つ我に月見の人往き來

   松山城

秋高き城に登れば石鎚が

木の屑を焚いて佛師や秋の雨

分け行けば道はありけり芒原

   白河の關

雪を來て氷柱きびしき山の驛

   「日 記」より

   鳩 杖

八十をつきぞめにして杖の春

   米壽祝賀會自祝

手のひらにいたゞく春の光哉

瀬戸渦のとけては流れ春の潮

雨垂れの音も添ひ來て夜寒哉

   子規居士五十年祭

感無量まだ生きて居て子規祭る

   洗心庵二句

老松にあやかり住むや老の冬

時雨るゝも晴るゝも庵の一つ松

柳原極堂に戻る

旅のあれこれ文 学に戻る