私の旅日記〜2013年〜
鳳来寺〜種田山頭火〜
湯谷温泉から鳳来寺山パークウェイで鳳来寺へ。
平成17年(2005年)7月1日から鳳来寺山パークウェイは無料、山頂駐車場は有料で500円。
駐車場から東照宮へ。
瑠璃山(標高695m)
元禄5年(1692年)5月17日、貝原益軒は鳳来寺のことを書ている。
十七日。雨やみぬ。御油の東に本坂越に行道あり。是より三河の鳳来寺にもゆく。御油より鳳来寺に九里あり。御油より大木と云所に宿あり。其先に新城と云所菅沼氏の居所なり。鳳来寺は山上にあり。峰に薬師堂あり。いと美麗なり。僧坊多し。風景甚うるはしといふ。寺領七百四拾石つく。天台宗なり。又、其辺に、東照大権現の御宮あり。寺領七百二拾石つけり。われ遊観の志あれども道遠ければゆかず。
東照宮
徳川三代将軍家光が日光の東照宮に参拝されたとき、その縁起に「松平広忠がりっぱな世つぎを得たいと思い、奥方とともに鳳来寺にこもり祈願して生まれた子供が家康であった」と書いてあったことをお読みになって、ここに東照宮を建てようと決心されたのでありました。出来上ったのは四代将軍家綱の代、慶安4年(1657年)で江戸時代初期の建築法を残す貴重なものとし国の重要文化財になっている。
日光東照宮、久能山東照宮、そしてこの鳳来山東照宮が日本三東照宮という。
鳳来寺本堂
徳川家康出生ゆかりの名刹鳳来寺
鳳来寺はおよそ1300年前に利修仙人によって開かれ、大宝3年(703年)に文武天皇から鳳来寺の名を賜って建立されたと伝えている。
以来広い信仰圏を持って栄え、源頼朝も厚く信仰し、七道伽藍を寄贈し隆盛期を迎えた。
特に子授けの薬師如来とし評判高く、天平文化の華光明皇后、浄瑠璃の主人公となった浄瑠璃姫も授かり人と伝う。
松平広忠夫妻が天下人となる男子を祈願して、授かったのが徳川家康であったという。
現在は真言宗五智教団の本山で、本堂は昭和49年に再建されている。
昭和14年(1939年)4月、種田山頭火は鳳来寺で16句を残した。
鳳来寺田楽堂欄間
山頭火献詠
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トンネルいくつ
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おりたところが木の芽の雨
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ここからお山のさくらまんかい
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たたずめば山氣しんしんせまる
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春雨の石仏みんな濡れたまふ
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石段のぼりつくして
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ほつと水をいただく
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人聲もなく散りしいて白椿(薬師院)
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霧雨のお山は濡れてのぼる
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お山しづくする真実不虚(ふこ)
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山の青さ大いなる御佛おはす
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水があふれて水が音たてゝしづか
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山霧のふかくも苔の花
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ずんぶりぬれてならんで
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石佛たちは
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水が龍となる頂ちかくも
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水音の千年万年ながるゝ
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石だん一だん一だんの水の音
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霽れるよりお山のてふてふ
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漂白の俳頭陀山頭火昭和十四年
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四月廿二日当山に拝登して賦吟を貽せり
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今茲五十年忌辰に値い之を録して奉納す
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昭和六十三年十月十一日
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三河知多山頭火の会
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